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【2025年最新版】RED BOOK(小紅書)でホテル業界の中国マーケットを攻略!

2025.09.03

コラム

インバウンド集客を成功させるマーケティング戦略
2025年、日本のインバウンド市場は急速な回復を見せていますが、その中でも特に注目すべきは、巨大な潜在顧客を抱える中国マーケットです。しかし、「どうすれば効果的にアプローチできるのか?」「従来の広告手法では手応えがない」と感じているホテル・宿泊業界のご担当者様も多いのではないでしょうか。

その突破口となるのが、中国の若者、特に女性層から絶大な支持を集めるソーシャルコマースプラットフォーム「RED BOOK(小紅書)」です。

本記事では、なぜ今ホテル業界がRED BOOKに取り組むべきなのか、そして、具体的にどのようなマーケティング戦略で中国マーケットを攻略すれば良いのかを、成功事例を交えながら徹底的に解説します。

第1章:なぜRED BOOKは対中国ホテルマーケティングの「最終兵器」なのか?
RED BOOKを単なる「中国版Instagram」と捉えているなら、その認識を改める必要があります。

RED BOOKは、ユーザーのリアルな口コミ(UGC)が購買行動に直結する

「ライフスタイル検索エンジン」としての側面を強く持っています。

■Instagramとの決定的な違い

利用目的: Instagramが「フォローしている人を見る」のが主であるのに対し、RED BOOKは「知りたい情報を検索する」目的で利用されます。「#東京ホテル」「#富士山が見える旅館」といった具体的なキーワードで検索し、そこから宿泊先を決めるのが一般的なフローです。

情報の信頼性: 企業による広告よりも、一般ユーザーやKOC(Key Opinion Customer)と呼ばれる身近な存在からのリアルなレビューが絶大な信頼を得ています。この「口コミ文化」が、RED BOOKを強力なマーケティングツールたらしめる所以です。

購買への直結度: RED BOOKには「种草(ジョンツァオ)」という独特の文化があります。これは「草を植える」、つまり「欲しいという気持ちを植え付ける」という意味で、ユーザーは良い投稿を見るとその商品やサービスを保存(收藏)し、実際の購買リストに加えます。ホテル選びにおいて、この「种草」をいかに多くされるかが成功の鍵となります。

つまり、Googleで検索するようにRED BOOKでホテルを探し、信頼できる口コミを参考に予約を決める、という行動が中国の旅行者の間では常識となっているのです。このプラットフォームを無視して、中国マーケットの攻略はあり得ません。

第2章:ホテルがREDBOOKで「勝つ」ための必勝コンテンツとは?
では、具体的にどのような投稿が中国人ユーザーの心を掴み、「このホテルに泊まりたい!」と思わせるのでしょうか。重要なのは「泊まる理由」を明確に提示することです。

  1. UGCを誘発する「映え」スポット紹介
    中国人観光客、特にRED BOOKのメインユーザーである若年層女性は、旅行先での「写真映え(映え)」を非常に重視します。ただ綺麗な客室の写真を載せるだけでは不十分です。

具体例:

絶景が望めるインフィニティプールや露天風呂

デザイン性の高いロビーやラウンジ

季節限定の豪華なアフタヌーンティー

客室の窓から見える夜景やランドマーク

誰もが写真を撮りたくなるようなユニークな建築デザイン

これらの場所を「当ホテルだけのフォトスポット」として積極的に紹介し、ユーザーが「私もここで写真を撮って投稿したい!」と思わせる仕掛けがUGC(ユーザーによる投稿)の連鎖を生み出します。

  1. 「疑似体験」コンテンツ
    写真だけでは伝わらないホテルの魅力を、動画や詳細なレポートで伝えます。ユーザーが「まるで自分がそこにいるかのような」感覚を抱けるコンテンツが効果的です。

具体例:

最寄駅からホテルまでの道のりを歩くVlog(動画ブログ)

ルームツアー動画(クローゼットの中やアメニティまで詳しく紹介)

朝食ビュッフェの全メニューをレポート

コンシェルジュがおすすめする館内での過ごし方プラン

  1. 周辺の「攻略」情報
    旅行者にとって、ホテルは旅の「拠点」です。ホテルそのものの魅力だけでなく、周辺エリアの情報をセットで提供することで、予約の動機付けが格段に強まります。

具体例:

「当ホテルから徒歩5分!行列のできる人気ラーメン店リスト」

「ホテルを拠点に巡る、着物で歩きたい京都の散策コース」

「本当に買うべきお土産はこれ!ホテルスタッフ厳選ショップ紹介」

「このホテルに泊まれば、旅全体が充実する」という期待感を抱かせることが重要です。

  1. 裏側やスタッフの想い
    ブランドストーリーや人的な魅力は、価格競争から一線を画すための強力な武器になります。

具体例:

朝食のパンを焼くシェフのこだわりを紹介

お客様を迎えるために行う客室清掃の舞台裏

中国語を猛勉強している新人スタッフの紹介

施設の魅力だけでなく、「人」の魅力を伝えることで、ホテルへの親近感と信頼感を醸成します。

第3章:明日から始める!REDBOOKマーケティング実践ステップ
理論やコンテンツ内容がわかったところで、具体的なアクションプランに移りましょう。

ステップ1:公式アカウントの開設
まずは企業の「顔」となる公式アカウントを開設します。開設には中国法人や代理店が必要になる場合がありますが、これにより広告配信やデータ分析といったビジネス向けの機能が利用可能になります。

ステップ2:ターゲットとコンセプト設計
「誰に」「何を」伝えたいのかを明確にします。

ターゲット例:

最新の流行に敏感な20代女性グループ

子供連れで日本文化を体験したいファミリー層

静かで上質な滞在を求める富裕層カップル

コンセプト例:

「東京の夜景を一望できる、最高にロマンチックなホテル」

「三世代で楽しめる、アクティビティ満載のリゾート」

コンセプトが明確になることで、発信するコンテンツに一貫性が生まれます。

ステップ3:KOL/KOC施策の実施
RED BOOKマーケティングの核となるのが、インフルエンサー施策です。

KOL (Key Opinion Leader): 影響力の大きいトップインフルエンサー。認知度を一気に高めたい場合に有効。

KOC (Key Opinion Customer): フォロワーは数千〜数万人規模だが、特定の分野に詳しく、ユーザーからの信頼が厚い。リアルな宿泊体験を発信してもらうことで、非常に高い転換率が期待できます。

ホテルのコンセプトに合ったKOL/KOCを丁寧に選定し、実際に宿泊体験を提供して、その魅力をリアルな言葉で語ってもらうことが極めて重要です。

ステップ4:ユーザー参加型キャンペーンの企画
UGCを爆発的に増やすための施策です。

キャンペーン例:

ホテル内で撮影した写真に、指定のハッシュタグを付けて投稿してくれた人の中から、抽選で宿泊券をプレゼント。

「#〇〇ホテルでの過ごし方」をテーマに投稿を募集し、優れた投稿を公式アカウントで紹介(リポスト)する。

これにより、ユーザーを巻き込みながら自然な形で口コミを拡散させることができます。

まとめ:RED BOOKは単なるSNSではない、中国市場へのゲートウェイだ
中国マーケットの攻略において、RED BOOKはもはや選択肢の一つではなく、必須のプラットフォームです。ユーザーはRED BOOKで情報を「検索」し、リアルな口コミを「信頼」し、自らの滞在先を「決定」します。

重要なのは、広告的な情報を一方的に発信するのではなく、ユーザーの視点に立ち、「泊まりたい」と思わせる魅力的な疑似体験や有益な情報を提供し続けることです。そして、KOCや一般ユーザーを巻き込み、信頼性の高い口コミの輪を広げていくこと。

本記事で紹介した戦略を実践し、貴ホテルならではの魅力をRED BOOK上で開花させることができれば、そこは中国インバウンド市場という広大な海への、最も確かなゲートウェイとなるでしょう。さあ、今日から中国マーケット攻略の第一歩を踏み出しましょう。